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 医療事務の勉強と情報

医療機関の収益的な側面からも、受付業務での患者接遇は重要

医療機関の収益的な側面からも、受付業務での患者接遇は重要

初診で来院された場合は、問診表を記載してもらい、保険証を沿えて提出していただきます。患者さんから提出された資料をもとに氏名・生年月日・保健番号などを医事コンピュータに登録します。これを患者登録といいます。この患者登録はとても重要な作業になります。

万が一、登録を間違えてしまうと間違ったデータがレセプトに反映され、誤った内容でレセプトを審査機関に提出してしまうことになります。この結果、提出したレセプトが医療機関に戻ってくることになります。これを返戻といいます。

そして、このレセプトに関わる診療費が入金されないので、訂正後、再度提出し、その後にやっと入金されます。審査機関から戻ってくるレセプトはかなり多く医療事務職員の質が問われる部分といえます。次にカルテを作成します。

最近は、従来の紙カルテだけではなく電子カルテも普及しつつあります。このようにして作成したカルテを診察室へ送り診療を行います。

待ち時間の問題もよく取り上げられますが、医事課職員の保険制度などについての知識が低かったり、患者登録などに時間がかかりすぎるのも待ち時間に大きく影響しているといえます。再診の患者さんの場合は、診察券を受付に提出するか、自動再来機などで受信の手続きをします。

そして、受付にカルテを出力し診察室へ送ります。外来での診察の結果、入院加療が必要な場合は、入院窓口などに移動してもらい手続きをすることになります。医療機関の収益的な側面からも、受付業務での患者接遇はとても重要な業務です。基本的には、患者心理を十分理解した上で思いやりのある対応が必要となります。


請求業務の進め方と基礎知識

医療事務の仕事で欠かすことのできないのが、請求業務です。請求業務は、病院や診療所、調剤薬局など、いわゆる保険証を扱う機関では必ず発生する業務です。これらの機関での収入は、すべてこの請求業務すなわちレセプト作成と一部負担金の算定からなっています。

この請求業務は、医科系においては診療報酬点数制度に基づいて算定されます。この診療報酬点数制度では、診療行為のすべてが点数で規定されています。たとえば初診料は270点と定められていますが、全額に置き換えると2700円ということになります。

一部負担金とは、皆さんが医療機関の窓口でお支払いになるお金のことになりますが、このケースの場合、2700円の3割を負担することになり、 810円を窓口で支払うことになります。レセプトでは、診療費の全体の点数を記載し提出しますが、実際に保険者から医療機関に振り込まれる診療費は、一部負担金を差し引いた金額となります。

また、出来高算定と包括算定については、初診料を例に説明しましたが、このように行った診療行為を点数に置き換える方法を出来高算定と呼んでいます。これに対して、一部の診療を医学管理等に包括したり、請求全体を包括的に請求する方法を包括算定といいます。たとえば次のような診療が行われたとします。

診療例:
「40歳の男性が、高血圧症にて一般的な病院で内科を受診しました。定期的な診察と薬を14日分処方され日常生活に必要な指導を受けました。また、院内でお薬をもらい指導も受けました。」

この場合、出来高算定の場合としては、基本診察料(再診57点+外来管理加算52点=109点)と、医学管理(特定疾患療養管理料147点+薬剤情報提供料10点=157点)と、投薬(薬剤料112点+調剤料9点+処方料42点+調剤技術基本料8点=171点)が算定されます。

合計出来高算定は4370円になり、一部負担金は3割なので、4730円×0.3=1310円が患者の支払う合計金額となります。